2004年(平成16年)6月に今までを振り返りながら追記してみました

H14年4月〜 統合保育「さゆり保育園」へ

 母子通園から統合保育を選ぶか通園施設を選ぶかという時も ずいぶん悩みましたが
この年 通園施設をもう1年続けるか 統合保育へ進むかという点でもかなり迷いました。
あんなに交流保育や騒音を嫌う希に保育園という環境はどうなのか…。逆効果になり
通園できなくなってしまったら…? 不安はありましたが希にとって、通園施設で統合保育
へ進む為に充分準備をしてきているし、この1年で(療育の効果も含め)希は確実に力を
つけているということも踏まえ、思い切って希の背中を押すことにしました。1年先の小学
校入学を考えると、もはや足踏みをしていられない状況だったのも確かです。

 幸い、希はこの さゆり保育園ですばらしい先生方やお友達に恵まれ本当に様々な力
をつけることができました。希の世界を認めてもらえて決して押し付けてこない先生やお
友達との関係は、希に色々な気持ちを呼び起こし 目覚めさせてくれました。希のほうから
お友達に寄って行って触ったり、顔を近づけたりという行為も この時期からできるように
なりました。
 私の予想をはるかに超えて、希はこの保育園生活を存分に楽しみ、知らない間に希に
一番欠けていた社会性という見えない力を着実にはぐくんでいたのでした。

 この時期の希も「ウンチ」・「服のこだわり」・「不眠」の問題を解決できずにいました。やは
り居間で排泄してしまうこともしばしばでしたが、療育の先生のご指導を受け保育園での協
力もいただき時間を決めて、ひたすらトイレに誘うと少しずつトイレを意識するようになって
きました。トイレの中(便座以外も含めて)でウンチが初めてできたのも、この頃です。
 できたら大喜びして 褒めちぎる、これが希には良かったようで私が笑うと希もつられて
キャハハハと大笑いしていたものでした。ただ、オシッコの方はなかなか身につかず、オム
ツを脱いで あちこちに放尿してしまう為、この時期は家の中がとても臭く、その対策に追
われていたものでした。

 夏になると例のごとく服を脱いでスッポンポンに…。今度はどうしたものかと試行錯誤し
ていると、保育園の先生がランニングの後ろを背中で縛るという案(ヘソ出しルック)を発
案してくれて、オムツとオーバーパンツとヘソ出しランニングスタイルで ひと夏を乗り切
ることができました。

 12月、私は第3子を出産しました。入院中、希はショートステイへ、産後は家族みんなで
実家へ里帰り、という生活スタイルになり、希は完全にペースを見失い、明らかに昼も夜も
ほとんど眠らないような生活になってしまいました。このままでは本人も家族もダウンしてし
まうということで、初めて睡眠障害の治療をしていただくことにしました。この治療は効果
てきめんで、薬を飲むと30分でバタンキュー…。夜も一度も起きず、今までの苦労はいっ
たい何だったんだろう??状態。もっと早く治療を始めればよかったね、と主人と話したのを
覚えています。
 出産後は希の私へのマークがきつくなり ウンチも逆戻り。全くトイレではできなくなりま
したが、普通の子には当然ある“赤ちゃん返り”が希にも出現したことが、逆にうれしく感じ
たのでした。(2番目の子が生まれたあとには全く“赤ちゃん返り”的反応が希にはなかった
のです。)